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はぐれ士(さむらい)の風来記(仮)

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時系列まとめ的な記事を書いてみました
過去エントリから須賀川市立第一中学校柔道部暴行事件を振り返ってみる

顧問は不起訴に。でも絞め技の有無はどうなの?[横浜市奈良中柔道部事件]

2009.10.28/Wed

 柔道の全国大会優勝経験者である顧問の管理下で起きた事件――というか、顧問が暴行を加えたのではという疑惑が出てることで色々キナ臭さが漂っている「横浜市奈良中柔道部事件」。

顧問は不起訴処分に


 顧問は傷害容疑で書類送検され、昨日(27日)民事訴訟の初公判が行われたのだが、その日に顧問の不起訴が決定した模様。

読売新聞『柔道技で中3生徒重傷、顧問教諭を不起訴に』”より
 横浜市立奈良中学校(青葉区)で2004年、柔道部顧問の男性教諭(31)が部活動中、教え子だった当時中3の男性(19)に脳挫傷などの重傷を負わせたとして傷害容疑で書類送検された事件で、横浜地検は27日、「技をかけるときに傷害の故意があったと認めることはできない」として、男性教諭を嫌疑不十分で不起訴とする方針を固めた。

 同日、男性と家族に伝えた。男性側は、地検の判断を不服として検察審査会に申し立てる方針。

 県警の発表などでは、事件は04年12月24日午後、同校の格技場で起きた。県警は07年7月、教諭が受け身の取れない状態の男性に大外刈りや背負い投げなどの技を続けて重傷を負わせたとして書類送検した。

 教諭側は「投げ技のスピードだけで脳の血管が切れることはあり得ない」などと反論。捜査関係者らによると、教諭は男性の頭を畳に打ち付けていないことなどが確認されたという。

 男性と両親は07年12月、「指導の範囲を超えた一方的な暴行だった」として、教諭や横浜市などを相手取り、計約1億8600万円の損害賠償を求めて横浜地裁に提訴している。


 検察は業務上過失傷害での立件も検討したそうだけど、それも見送られたとか。

神奈川新聞『練習中に生徒に重傷負わせた元柔道部顧問不起訴/横浜地検』(ウェブ魚拓)”より
 また、同地検は業務上過失傷害罪の適用も検討したが、教諭が生徒を投げた際、頭が畳にぶつからないよう持ち手を引いていることや、生徒の脳の障害が、頭がぶつかったためではなく、回転する際の力によるものと認められることなどから、「けがは予測できなかった」と判断した。
(中略)
 横浜市教育委員会の斉藤宗明児童・生徒指導担当課長は「学校管理下における重篤な事故と受け止めている。今後とも学校内での安全管理に万全を期していきたい」とコメント。男性教諭については「市教委の調査でも、指導上の瑕疵(かし)はなかった。現状、(市教委としての)処分は考えていない」としている。


重度障害のトリガーは投げ技or絞め技?


 不起訴理由について検察は「顧問の投げ技が直接の原因なのかどうか?」に着目しているっぽい。けど、事件が発覚した当時の読売新聞の記事を見直すと、被害者の生徒は絞め落とされていたらしいのだが、この点は考慮されてるのですかね?

Yahoo!ニュース(読売新聞)『中3柔道部員に連続技、脳挫傷負わせた部活顧問を書類送検』”より
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070702-00000506-yom-soci
 柔道の部活動中、生徒に脳挫傷などのけがを負わせたとして、神奈川県警捜査1課と青葉署は2日、横浜市立奈良中学校教諭で柔道部顧問の男(28)を傷害容疑で横浜地検に書類送検した。

 教諭は「態度が悪かったので矯正しようと思った」と供述している。

 調べによると、教諭は2004年12月24日午後3時50分ごろ、横浜市青葉区すみよし台の同中学校格技場で、柔道部員の中学3年生の男子生徒に大外刈りや背負い投げなどの技を連続でかけた後、絞め技で意識を失わせたうえ、休憩を与えずに再度投げ技をかけ、急性硬膜下血腫(けっしゅ)や脳挫傷などの傷害を負わせた疑い。


管理人注:引用文中の強調箇所は管理人によるもの。


 どこぞのサガシリーズじゃないけど、普通の人間はスタン(失神)状態から立ち直った直後にまともな受身を取れるものなのかな? まともな受身が取れなければ事故が起きる可能性はありそうだけど・・・。
※軽く調べてみると、失神した場合、意識を取り戻しても10〜15分は休ませないとダメとのこと。

――と思ってたら、28日付けの読売新聞にもうちょい詳しい記事が出てた。

読売新聞(神奈川版)『柔道技で重傷 教諭不起訴』”より
 県警は07年7月、全国大会の優勝経験がある教諭が、当時、部員だった男性に、意識が朦朧(もうろう)として受け身が取れない状態になっても投げ技をかけ、急性硬膜下血腫や脳挫傷などの重傷を負わせたとして立件に踏み切った。

 男性と両親が同年12月に提訴した民事訴訟では、男性が救急搬送された病院の医師が「投げ技による高速の回転が原因で脳の静脈が切れた」という見解を示した。一方、教諭側は「経験則上、投げ技のスピードだけで脳の血管が切れることはあり得ない」などと反論していた。

 送検後も地検は捜査を継続していたが、〈1〉教諭は男性の頭を畳に打ち付けていない〈2〉男性の頭部に目立った外傷はない――などの事実が確認されたことなどから、「技をかける時点で傷害を負わせる意図までは認められない」と結論づけた。

 地検は、業務上過失傷害罪の適用も検討したが、「傷害の結果を予見することができたとは言えない」として同罪での起訴も断念。ある地検幹部は「検察内部でも様々な見解が出た。苦渋の決断だった」と語った。


朝日新聞(神奈川版)『柔道で後遺症 元顧問教諭を不起訴』より
 学校の部活動中に起きた事故で刑事責任を問われるケースは少ない。両親の代理人を務める落合洋司弁護士は「立件例が少なく『予見可能性』を裏付けるものがなかったのかもしれない」と話している。


 「傷害の結果を予見することができたとは言えない」と検察は結論付けているが、予見は出来なくても、「失神してフラフラになった人間を投げ飛ばす」というのは柔道の専門家としての正当な注意を払っていた(善管注意義務を果たしていた)と言えるのだろうか? 少なくとも業務上過失傷害についてはまだ争点が残っていそうな気がする。

 ところで、この裁判って「はてなダイアリー」の落合洋司弁護士が担当しているのか?

視線が厳しい時だから・・・


 須賀川の事件と違い、奈良中の事件は民事訴訟の初公判を迎えても情報が少ない。事態はこれから二転三転するかもしれないし、何も出てこないかもしれない。
 ただ、柔道は最近何かと事件が多かったため、「柔道=D〇Nのスポーツ」という色眼鏡で見られる風潮が今は強い。そんな時勢であるので、(柔道に限った話じゃないけど)指導者は自分の指導のあり方を今一度見直すべきではないか?

[関連リンク]
意識不明になってしまった少女を応援するサイト『滋賀県愛知郡愛荘町立秦荘中柔道事件』:須賀川一中事件の判決後に起きてしまった事件のまとめ。
桑田真澄オフィシャルブログ『気が付く』:指導者のあり方について苦言。意味無く怒鳴り散らすだけの指導者に存在価値はあるのか?
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テーマ: 教育問題
ジャンル: ニュース
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