みすず監査法人最期の日
2007 / 08 / 01 ( Wed )
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昨日7月31日をもって、みすず監査法人(旧中央青山監査法人)は一部の清算業務(足利銀行株主による損害賠償請求訴訟など)を残して業務を終了し、解散した。

みすずを巡る一連の事件――

asahi.com『名門監査法人、みすずが消滅 内部の意識改革に遅れ』(ウェブ魚拓)”より
・三洋電気:関係会社株式評価損の過小計上
・カネボウ:不良在庫の資産計上
・日興コーディアル:連結外しや子会社を利用した架空利益の計上

は、「三洋特殊鋼事件」や「三田工業事件」と共に監査論のテキストとかで延々と語り継がれていくんだろうな。

ちなみに、日興の粉飾についてはお咎め無しになった模様。

YOMIURI ONLINE『日興不正 みすず処分見送りへ』(ウェブ魚拓)”より
 金融庁は30日、不正会計問題を起こした日興コーディアルグループの監査を担当したみすず監査法人(旧中央青山監査法人)と担当した会計士への行政処分を見送る方針を固めた。不正に意図的に関与しておらず、見逃した過失も小さいと判断した模様だ。粉飾決算のあったカネボウやライブドアの担当会計士は登録抹消など厳しい行政処分を受けており、対照的な結果となった。

 日興は2005年3月期連結決算で、子会社を不当に連結決算から外したり、デリバティブ(金融派生商品)取引で約188億円の利益を架空計上したりした。この不正会計を巡り、日興は07年1月、証券取引等監視委員会の勧告を受けた金融庁の命令により過去最高の5億円の課徴金を納付している。


さて、かつての四大監査法人(トーマツ、あずさ、新日本、中央青山)の一角が消滅するという事で、「所属会計士の再就職はどうなるのか?」という声もあったが、さすがに今の会計士業界は仕事量が炎上ってレベルどころじゃないだけあり、殆どの人は移籍先を見つけているそうな。

SankeiWEB『みすず監査法人が解散 カネボウ粉飾決算などで』(ウェブ魚拓)”より抜粋
 約39年の歴史を持つみすず監査法人(旧中央青山監査法人)が31日で業務を終了。カネボウの粉飾決算に絡む行政処分や、日興コーディアルグループの不正会計問題で監査の妥当性が問われた影響で解散に追い込まれた。8月1日以降は清算法人として係争中の訴訟対応など残務処理だけを行う。

 今年3月末時点に在籍した約2400人の公認会計士ら職員のうち、約1000人が新日本監査法人に、約400人が監査法人トーマツに、約280人があずさ監査法人に移籍を決めており、既に6、7割が移ったという。


(注)引用文中の強調箇所は管理人によるもの。


確か数ヶ月前、『日経ビジネス』で「あずさ監査法人がみすず監査法人会計士の大規模なヘッドハンティングを画策している」という記事を読んだ覚えがあるが(これについては日経ビジネスオンライン『時流超流:「企業と先生」一体の悲劇 みすず監査法人を解体させた「引き抜き」』を参照)、結局、単純に人数だけを見ると新日本が一番規模(業務のキャパシティ)を拡大したことになるか。

ところで、新聞各紙にざっと目を通してみたけど、「財務諸表監査業務に見切りを付けコンサル業務にジョブチェンジした人が意外に多い」というのは興味深い。

フジサンケイ ビジネスアイ『「みすず」きょう解散 監査の信頼回復急務 移管作業は混乱なし』(ウェブ魚拓)”より抜粋
ただ、「会計監査業務は忙しい割に報酬が低いとして、約150人がコンサルティング会社などに流出した」(みすず関係者)といい、監査の現場での慢性的な人手不足に拍車が掛かりそうだ。


昔から世間一般では「会計士は法曹・医師と並んで稼げる職業」というイメージがある。
しかし、
「監査業務で大金を稼ぐ事なんてできません。偉い人はそれが分からんのです。」
・・・とガンダムネタをかましてみたが(笑)、被監査会社との癒着防止とか何とかで監査報酬に限度があるのが現実だからなぁ。
そもそも、(悪い言い方だが)会社の腹を探るような仕事に高い報酬を払いたいという人間がいるのか?という話もあるし(汗)

それに、監査業務一つだけを取っても、年度決算だけをやってればいいというのは過去の話。
今は年度決算や中間監査の他に4半期決算もやらなきゃいけないし、更に来年からは内部統制監査も加わるんで、やらなきゃいけない事は増える一方だ。

より実力が要求されるものの、経済的見返りを求めてコンサル会社に転職するのも分かるわぁ。

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