時系列まとめ的な記事を書いてみました
→【過去エントリから須賀川市立第一中学校柔道部暴行事件を振り返ってみる】
株券を拾った謝礼を要求した裁判
2007.07.19/Thu
“Yahoo!ニュース(京都新聞)『盗まれたかばんに高額株券… 拾い主への謝礼137万円命令 京都地裁』”より
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070719-00000001-kyt-l26
釣りの最中に拾ったかばんに高額の株券が入っていたのに、持ち主に謝礼金の支払いを拒否されたとして、京都市山科区の男性(60)が、持ち主の長岡京市の女性(75)らに謝礼金の支払いを求めた訴訟の判決が、京都地裁でこのほどあった。阪口彰洋裁判官は遺失物法が定める報労金請求権に基づいて「謝礼金は株券の価値の12%が相当」として、約137万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は昨年1月23日、向日市内の池で釣りをしていて、流れてきたかばんをすくい上げた。ぬれた株券が入っていたので、自宅で乾かしてから近くの交番に届けた。かばんは、持ち主の女性が3日前に自転車の前かごに入れていて、同市内で盗まれた。株券は計約1148万円相当だった。
なお朝日新聞によると、事件当時の株式の時価総額は1,400万円以上だとか。
“asahi.com『株券入りかばん、拾った男性への報労金140万円と判決』”より抜粋
判決によると、株券は東京電力や日本航空など3社の計6000株で、昨年2月の時価総額は1435万9000円だった。
...
遺失物法は、返還を受けた落とし主は、遺失物の価格の5〜20%の報労金を拾った人に支払うよう定めている。名義人側は「届け出が翌日に遅れたため、報労金の割合を低くすべきだ」と主張。阪口裁判官は判決で経済的価値を時価の80%とし、12%の支払いが相当だとした。
「落し物を拾ってくれたから1割お礼ね」というのは有名な台詞だが、これは法律(遺失物法28条)で定められた数値の中間を取ってのものだったんだな。
それはさておき、株券を無くしてもこうして届け出てくれるのはラッキーな事ですよ。
最悪の場合、そのまま売り飛ばされたり名義を書き換えられたりして、1,000万円以上のの株券がパーになった可能性もあるのだから。
株券の善意取得の恐怖
会社法の規定では、それが盗んだ物であろうが株券を持っている人は株主であると推定される(131条)。これは、
・株券を何らかの方法により手に入れた人は名義書換さえすれば株主になる事が可能である(善意取得)。
・株券を無くしたらそのまま泣き寝入りもありうるというリスクを株主は背負っている。
という事を意味する。
ただし、株券を無くしても直ちに株券喪失登録を行えば、泣き寝入りを回避する事は十分可能である(この辺りは221条以下を参照されたし)。
ちなみに、株券を発行する意義が薄れてきた事と善意取得のリスクを無くすという理由で、2006年5月に施行された新会社法では「株券は原則として発行しない」と定められている。
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謝礼を要求した裁判
危うく株券喪失の難を逃れたという話であるが、記事をよく読むと、この裁判、「株券の拾い主が持ち主に謝礼を要求したが拒否されたために起こした裁判」なのだとか。「わざわざ謝礼を要求するのは如何なものか?」と思う人もいるので、男性に対する印象は人それぞれだろう。
また、持ち主の女性は男性が盗んだ張本人はないかと疑っているみたいだが・・・。
でも、わざわざ届け出てくれたわけなのだから、謝礼をケチった女性の方も如何なものかと思うな。
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