時系列まとめ的な記事を書いてみました
→【過去エントリから須賀川市立第一中学校柔道部暴行事件を振り返ってみる】
疑問に答えていない控訴審判決[御殿場事件(PART4)]
2007.08.23/Thu
▼御殿場事件、20日に再審始まる[御殿場事件(PART5)]
再び有罪判決。でも・・・
昨日の昼間に速報を見たが、高裁でも有罪判決が出ちゃったか。“静岡新聞『御殿場事件 元少年4人二審も実刑 東京高裁』(ウェブ魚拓)”より抜粋
御殿場市で2001年9月、少年10人が当時15歳の少女に暴行しようとしたとされる事件で、強姦(ごうかん)未遂罪に問われた当時16―17歳の元少年4人の控訴審判決公判が22日、東京高裁で開かれた。中川武隆裁判長は4人いずれも懲役2年の実刑とした一審の静岡地裁沼津支部判決を破棄し、懲役1年6月の実刑判決を言い渡した。無罪を訴え控訴していた4人は上告する方針。
“朝日新聞(静岡版)『被害者供述に信頼性/御殿場少年事件』(ウェブ魚拓)”より抜粋
一方、量刑については「被害者の被害申告にも問題があった」として、当初、被害少女がうその被害日時を申告し、結果的に犯行日が1週間前に変わった点を指摘、一審判決よりも減刑した。
でも、高裁が「被害少女が嘘の被害申告をした」という事実を量刑に反映させたというのは驚いた。こんなのって前例はあるのか?
で、この判決を受けての被告人弁護団のコメントは以下の通り。
・犯行日が変わるなど、事件の発端からして重大な疑義があるものに有罪判決を下すのは刑事裁判の大原則に反する。(朝日新聞より)
・極めて不当。主張してきた客観的事実の認定について判決は検証もしていない。(毎日新聞より)
・控訴趣意書で主張した点を無視した判決。4人が無罪になれば、ほかの元少年の判断もひっくり返す必要があり、司法政策的な配慮があったのではないか。(読売新聞より)
識者の方々の方は次のようにコメントしている。
“毎日新聞(静岡版)『御殿場の婦女暴行未遂:控訴審判決、4被告に実刑 冤罪の主張、再び退ける /静岡』(ウェブ魚拓)”より抜粋
◇「結論先に」の印象−−多田元・南山大法科大学院教授(刑事法)の話
実刑という結論が先にありきの判決という印象だ。被害者の供述を「日時変更以外の部分は同一性がある」としたが、その根拠の説明は非常に不自然。少年の自白供述についても、「信用できる」とする理由が述べられていない。上告審では、被害者の証言の信用性をさらに詳しく検討する必要がある。
“読売新聞(静岡版)『自白の信用性追認 御殿場少年事件控訴審』(ウェブ魚拓)”より抜粋
元東京家裁調査官の佐々木光郎・静岡英和学院大教授(少年非行論)
「少女の供述と元少年の自白だけに頼り、物証などの客観的な証拠が乏しかった。司法判断は尊重するべきだが、婦女暴行未遂という凶悪事件だっただけに、捜査段階で事実確認を厳格にやるべきだったのではないか。あまりにも事実認定に時間を費やしたという点で特異な事件であり、課題を残した」
また、日テレ『リアルタイム』のコメンテーターを務める元警視庁捜査一課長の田宮榮一氏は、有罪論の立場を取りつつも警察の捜査のお粗末さについて批判していたそうな。
とりあえず、「警察の捜査は適切だったかどうかについて疑念がある」という点については識者の意見は一致しているようですな。
[関連リンク]
▼産経新聞『御殿場の少女暴行未遂、元少年4人に控訴審判決も実刑』(ウェブ魚拓)
▼笑月ホームページ『刑部:御殿場事件控訴審(初公判)傍聴記』
▼笑月ホームページ『刑部:御殿場事件控訴審(最終弁論)傍聴記』
疑問に答えていない判決文
さて、判決文そのものはまだ見れてないのだけど、新聞各誌や【長野智子blog『御殿場事件・判決の矛盾』】によると、控訴審の判決は次のようなものらしい。・少女の「被害に至る経緯及び被害状況」の供述には一貫性があり、変更後の供述は十分信用できるとして信用性を認定。
・被害日を9月16日から9日に変更した点は「男性とのデートを隠すためで、交際に厳しい母親との関係を考えると理解できる」としている。
・元少年4人の自白供述は「16日の犯行を前提とした部分を除き、根幹部分は十分信用できる」とし、任意性についても認める。
・しかし、否認後の供述や9日のアリバイはいずれも否定した。
・被害者の供述の矛盾点として出てきた「事件当日雨が降っていた」「9日に存在するはずの無いロープ」について、雨については「降ってたどうかは断定できない」としたが、ロープの件はスルー。
・「捜査機関の当初の裏付け捜査が万全を尽くしたとはいえなかった」と、捜査のお粗末さを批判。
う〜む・・・。事件の疑問点を払拭できていない感じのする判決内容だな。
この機会に、事件の疑問点について再び触れてみることにする。
| h o m e |










