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創業家の横暴?――「テン・アローズ」三屋前社長解任騒動

2007.06.28/Thu

どうもこの解任劇はキナ臭い匂いがプンプンするなぁ(汗)

Yahoo!ニュース(毎日新聞)『<テン・アローズ>三屋社長ら経営陣解任決める 株主総会』”より抜粋
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070627-00000047-mai-bus_all
 女性下着販売のテン・アローズ(旧シャルレ、本社・神戸市、大証2部上場)の株主総会が27日、同市内で開かれ、約56%の株式を保有する創業家側が提出した女子バレーボールのロサンゼルス五輪銅メダリストの三屋裕子社長(48)ら取締役7人全員の交代を求める修正動議を、約84%(議決権ベース)の賛成多数で承認した。スポーツ界から上場企業トップへの転身で話題を呼んだ三屋氏は就任からわずか3年で社長を追われた。
...
 総会には、昨年より約100人多い約140人の株主が出席した。議長の三屋氏が3年連続の連結最終赤字を計上した07年3月期決算を報告している途中、勝哉氏が発言を遮り、議長不信任動議を提出。その後、三屋氏らの解任を含む人事案件を提案し可決した。


数字の切り取りというトリック

報道をざっと見ると、三屋氏は「3年連続で最終赤字を出したから」ということで経営能力が足りないから解任されたという風に思える。

だが、ここで面倒でも財務諸表をよく見てみると、実は三屋前社長には批判される言われは無かったんじゃないかと読み取れる。

・三屋氏の社長就任前は、連結ベースの営業利益・経常利益は共に右肩下がりであった。
・三屋氏が社長に就任すると、売上は減少したものの営業利益・経常利益は上向きに改善されている
・事業別セグメント情報を見ても、本業の下着販売部門の業績は回復の兆候を示している
・当期純損益が赤字になっているのは、減損会計の適用、所謂リストラによる従業員退職金の増額、及び役員退職金の支払いと、主に経営再建に伴うものと推測される
(なお、三屋氏の社長就任に伴い創業家の元役員は退職金をガッポリ貰っているらしいが、これが当期純損益を赤字にした要因の一つではないかという見方がある)


[参考]
「テン・アローズ」ホームページ『06年度決算短信(PDFファイル)』
Yahoo!ファイナンス:大雑把な時系列情報の確認に。
EDINET(有価証券報告書等電子開示システム):過去の財務諸表を確認したいなら。


[8月13日追記]
上の「三屋氏の社長就任に伴い創業家の元役員は退職金をガッポリ貰っているらしい」について。
創業家出身の取締役で、04年に退任した林夫妻は、2人合わせて18億円の退職金をもらっていたそうな。

神戸新聞『三屋前社長は退職金ゼロ テン・アローズ』”より抜粋
 女性下着販売のテン・アローズ(神戸市須磨区)は十日、六月末に退任した女子バレーボール五輪銅メダリストの三屋裕子前社長ら取締役七人に退職金を支払わないことを明らかにした。二〇〇四年四月に役員退職金制度を廃止し「毎月の役員報酬へ業績に応じ(退職金相当分を)上乗せした」(経理部)としているが、その後に経営を退いた創業者の林雅晴氏と宏子氏夫妻には十八億円近い退職慰労金が支給されており、三屋氏との格差が目立っている。

 〇四年六月に取締役を退いた林雅晴氏には九億円、〇六年に会長を退いた宏子氏(現取締役)には八億九千五百万円の慰労金が支給された。同社経理部は「今回退任した三屋氏ら役員は就任一-三年で、創業家とは事情が違う」としている。


結局、三屋氏は使い捨ての駒だったのか?

このように財務諸表の数値や昨日の株主総会の様子を見る限り、三屋氏の解任は創業者一族の横暴(業績回復という手柄の横取り)ではないかという気がしてくる。

総会開始直後に議長を変更させ、三屋氏に解任案に対する意見陳述の機会を与えなかったというのは乱暴だし、その後の記者会見で司会役の従業員が「残念です。困惑しています。」と言ったところからも、今回の解任劇は解せないものがあるという印象を受ける。

まぁ終わった事はしょうがないけど、これで采は投げられた。
これからどう経営をしていくのか、創業家はこれまで以上に投資家の視線を向けられることになると思われる。
テーマ: 経済・社会
ジャンル: ニュース
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